少年記 | さいたま市・川口市の不動産のことなら藤島住宅

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  • 少年記

    2017-04-04

    「おはよーございまーす!」

    「おはよーございまーす!」

     

    今年の1月末頃、

    取引先の某大手不動産会社に向かうため、

    普段は車移動がほとんどの私でしたが、

    珍しく鉄道を利用した時のことでした。

    JR浦和駅改札を出たところで、

    子供のものと思われる大きな声が、

    浦和駅西口と東口をつなぐ連絡通路内に響き渡っておりました。

     

    (何かの募金活動でもしているのかな)というような印象を抱きつつ、

    目的地のある西口方面へ向かうと、

    その大きな声の主が見えて参りました。

     

    小学校低学年くらいの男の子が

    たった一人、

    背筋を伸ばして、ただひたすらに

     

    「おはよーございまーす!」

    「おはよーございまーす!」と

    挨拶を繰り返しておりました。

     

    その光景は少し異様で。

    男の子の周辺を見回してみても、

    【付き添いの大人】や

    【仲間と思しき子供達】のような人物の存在は

    見当たりませんでした。

     

    私はたまらず、男の子に話しかけました。

    「なんで、挨拶してるの?」

     

    すると、男の子はこう答えました。

    「昨日、お父さんに【返事が小さい】と怒られて、それで大きな声を出す練習をしています。」

     

    一瞬私の脳裏に、世の中で起こっている様々な暗く悲しい愛憎劇のニュースや紙面記事の断片が次々と浮かび上がって参りました。

     

    しかし男の子の瞳はあくまでも純真な光を放ち、

    私のようなくたびれた大人の考えなど、

    全く意に返さないオーラを漂わせておりました。

    男の子は私の問いに丁寧に答えた後、

    またひたむきに大きな声を出す練習を始めていました。

     

    私は、もう一度周りを見回した後、

    本来の目的地である不動産会社に向かって歩き始めました。

     

    もし、過去の私にあの男の子のような経験があったなら、

    今、どうなっていただろうか。

    今よりも胆の据わった堂々とした大人になっていただろうか。

    いつも元気に挨拶が出来る気持ちのいい人間になれていただろうか。

     

    もしかしたらあの男の子は、何かの英才教育を父親から受けているのかも知れない。

    もしかしたらあれは、行き過ぎた【お仕置き】のようなものだったのかも知れない。

     

    なぜあのような状況が起きているのか詮索することよりも、

    あの男の子の「おはよーございまーす!」という大きな声は、

    営業職についている私に自らを顧みるきっかけを与え、

    『まだまだ自分も成長できる。』というような思いを

    私の中に残してくれたような気がいたします。

     

     藤島住宅 営業 岩原 賢太郎


    テーマ名 その他

    ページ作成日 2017-04-04







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