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「チェインギャング」
2018-03-17
休日。
突発的に【東京ディズニーシー】へ行って参りました。
職業柄、【平日休み】なので普段から何処へ行くにもスイスイ。
いかに、あの東京ディズニーリゾートであろうとも、【平日休みの特権】は揺るぎないものと、勝手に思い上がっておりました。
出がけに妻が、「一応、チケットは事前にコンビニで買っておいた方がいい」と進言。
「なに、その方が安いの?」と私。
「安いわけじゃないけど、入口で並ぶの嫌でしょ?」
「うん、嫌だ」
最寄駅まで車で向かう途中コンビニに寄り、チケットを購入しました。
東川口駅前のパーキングは1h100円と格安!
平日なので充分空いている。
よしよし、首尾は上々だ。
武蔵野線で一路、舞浜駅へ!
折しも【東京ディズニーリゾート】では、
【キャンパスデーパスポート】なるイベントが開催!
チケット売場は大混雑!
(そうか、普通に春休みだし!ミステイク!)
「チケットをお持ちのお客様はこちらへー」
キャストの方の案内で、混雑するチケット売場を尻目に、スムーズに荷物点検のゲートへ。
その先の入場改札もすんなり通れるはずだった・・。
「こちら、ディズニーランドのチケットになります」
一瞬で事態を把握した私は、(いいじゃん、通してよ。通してくれるよね?)と心の中でつぶやいていた。
「申し訳ございません・・」
交換はしてくれるが、あの長蛇の列に並ぶ羽目に。
コンビニでチケットを購入したのは妻だった。
ここで何か少しでも攻めるようなニュアンスを私から発してはいけない!
湧き上がる感情をなんとか誤魔化しながらも、心から明るく振る舞うことは出来なかった。
(ああ、私は私が大嫌いだ!)
青春時代、常に私にまとわりついて私を苦しめていた【純真・一途・清廉潔癖というようなものへの強い憧れと絶望感のようなもの】が、この夢の国の入口で再び私を包み込もうとしていた。
しかし今、取るべき態度は分かってる。
明るく、前向きに、だ。
なんとか大人の体を保ちつつ、私と妻子は夢の国へたどり着いたのでした。
。。。。。
ディズニーシー内にはなんと、【ホテル】があるという。
その発想と展開力に感心しつつ、「ならば、敷地内に分譲住宅を建てたらいくらで売れるのだろう」などと不毛な思考に囚われながら歩いていると、あることが気になりました。
グループで同じような服を着た女子達がやけにたくさん歩いているのです。
妻にその事について問いかけると、
「多分、インスタ映え的なことだと思う」とのこと。
(ううむ、インスタをよく知らないから気持ちがわからん。)
息子が好きな【ファインディングニモ】のアトラクションだけは確実に楽しみたかったので、【ファストパス】なるものを取得し、しばらく他のアトラクションを物色。
どれも混雑で並ぶ気になれない。
そこでまた気になる。
(ランドに比べてアトラクション間が遠い気がする!)
混雑で歩きづらい中、フツフツと湧き上がる(来なきゃ良かった)の思いを抑え込む。
(家族の思い出!)
(3歳の息子は今だけ!)
(4月から幼稚園!)
所定の時間に【ファインディングニモ】へ舞い戻る。
(ファストパスか?これで?)
想像していたよりも長い待ち時間に不満が募る。
しかしこのアトラクションはとても楽しかった。
ニモとドリーと一緒に海の中の冒険!
夢中で画面に食い入る息子の表情を見たこの瞬間、私は大満足だった。
息子はディズニーシーを概ね楽しんでいたようだったが、その日は【抱っこ】の要求が多く、だだをこねて思うように歩いてくれない。
ミッキーのカチューシャを装着してる女性が、そのあまりの混雑に閉口してか、不機嫌そうに私達家族の横をすり抜けてゆく。
ディズニーキャストの人達もその移動の困難さ故に、気のせいか笑顔が少なく真顔で園内を徘徊する方が多い気がする。
ふと、私の脳裏に青春時代の唄が蘇る。
(仮面をつけて生きるの〜は〜♪息苦しくてしょうがな〜い♪どこでもいつも誰とで〜も〜♪笑顔でなんかいられな〜い♪)
はい、営業失格!
私は自分を戒めつつ、なんとかこの場を盛り上げるべく、そして今日という日を充実させるべく、提案する。
「海底20000マイル行こう」
比較的空いてそうだし、息子が好きそうだし。
地図を開く。
現在地を確認し、目的地を探す・・
遠い・・
(1マイルって何メートルだっけ?)
だが、海底の深さとアトラクションまでの距離は思考的にどうやっても結びつかない。
「やっぱ、トイストーリー・マニア行こう!」
混んでるだろうけど、息子が喜ぶし!
地図を確認。
そう遠くない。
【トイストーリー・マニア】の並び列最後尾付近に、待ち時間の表示が見えた。
[15分待ち]
(奇跡だ!奇跡が起こった!)
(なんで⁈なんで⁈)
0が1個見えなかっただけだった。
150分待ち。
無理だった。
私にはこれ以上。
すまん、息子よ・・。
抱っこした息子をふと見ると、眠っていた。
帰ろう、潔く。
今日という日を大切に思えばこそ。
この期に及んでも、あくまで前向きな体を保とうとする自分に半ばあきれながらも、私は決断した。
以上。
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ページ作成日 2018-03-17